私の脳内ラムちゃんは「要するに全ては私の気持ち次第だっちゃ」と口にする時、こんな顔をしてたりします。20世紀ヒロインには存在しなかった表情?
今回の投稿の発端は以下のTweet。
乱れ射ち、やな、もう。 https://t.co/wOzKPM6OTt
— king-biscuit (@kingbiscuitSIU) 2022年10月13日
実験というよりはもう演習になってますね。
— ホルモンの人2 (@hormonenohito) 2022年10月13日
構って欲しいんですよ、きっと。
— yasunoxx▼Julia/h+JP (@noisequeen) 2022年10月13日
ここに乱入。
思わぬ形で日本文化史に足跡を残しましたね。「インベーダーとしてちゃんと怖がって欲しいのに…」 https://t.co/YzP7ypREOR
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年10月13日
「侵略(Invasion=征服未遂)と征服(Conquest)の違い」…原作展開だとラムちゃん、第1話「かけめぐる青春」でこそ「侵略」に失敗しますが、第3話「悲しき雨音」で「あたるの失態により発生した地球規模の負債(ラムちゃん側の計画的詐欺の可能性あり)」を肩代わりする形で「地球の管財権」を掌握。 pic.twitter.com/ipZPukDYwK
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年10月13日
「(地球人全てを敵に回し)あたるだけがラムちゃんの征服を拒絶し続ける(あたるがラムちゃんのそれを受容した瞬間に地球の完全植民地化が完成する)」なる「1970年代うる星やつら」の物語的基本構造が完成するという… pic.twitter.com/Ezp1tKBfBo
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年10月13日
はっと。するってえと今の「晴れて日本の支配下から逃れたものの、中国とソ連の二股膏薬戦略も潰え、元の宗主国に絡んでくる」北朝鮮の立場って「本当に誰からも相手にされなくなってしまった諸星あたるの末路」?
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年10月13日
そういえば「逆にその諸星あたるに金と権力を持たせてみても、新たなる面堂終太郎が生まれるだけ(中身は同じ)」というネタもありました。「管財者」ラムちゃんが「要するに全ては私の気持ち次第だっちゃ」と大英帝国面を発揮する回… pic.twitter.com/rGsXljgOXc
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年10月13日
さらに高橋留美子「うる星やつら(1978年~1987年)」についての考察を深めます。
「1970年代うる星やつら」における諸星あたるの逃走を「地球が完全に"インベーダー"ラムちゃんの手に落ちるのを防ぐ最後の抵抗」と考える立場からすれば、諸星あたるが本当に何処かの勢力の「独立運動のシンボル」に祭り上げられたとしても不思議もなかったりします。https://t.co/AZ0l8ht0cB
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年10月14日
だが「"インベーダー"ラムちゃんの長い手」は、そうした儚い抵抗の可能性すら決して見逃しはしなかったのです。例えばカタルーニャ独立運動でクレヨンしんちゃんが「民族統合のシンボル」の役割を果たしてる話は有名ですが…https://t.co/pkm4vALvO6
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年10月14日
Youtubeにカタロニア語版がアップされてるくらいですからアニメ版「うる星やつら」に挿入歌として採用されたバージンVS(1981年~1984年)「コスミック・サイクラー(1982年)」も同様の役割を果たしている可能性が高かったりします。https://t.co/leClqAmfaG
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年10月14日
当時のあがた森魚作品の中でもとりわけ「British Beat(九州めんたいロックの大源流となったロンドン・パンク・ムーブメントやニュー・ロマンティックなどの英国系音楽の日本的融合形態)」色の強い楽曲で、歌詞内容も「本格派ロマン主義精神」の顕現。https://t.co/xcNuSLdu7m
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年10月14日
そう、オリジナルの歌詞は「誰かの呼び声に抗えず、飼い殺し状態から脱却して帰らない旅に出発する」筋書き。「(その選択肢の先に破滅しか待ってなくても)神の用意した予定調和的的未来に背を向け、前人未到の明日に踏み出す自由を行使する」ロマン主義精神の顕現…https://t.co/2Vl0puRpCh
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年10月14日
まぁこうした「破滅志向」自体は1980年代前半の楽曲に幅広く窺えた傾向だったりもした訳ですが。https://t.co/N5XU1N4FRe
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年10月14日
ところがアニメ版「うる星やつら」挿入歌「星空サイクリング(1982年)」の歌詞世界では"インベーダー"ラムちゃんに追いつかれ、なぜかただの「鬼ごっこ」ないしは「二人で仲良く並走状態」に。もちろんあがた森魚本人による改変なので完全に確信犯でやってます。https://t.co/TXzJ3oeDLL
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年10月14日
そもそも「地球人に何も要求しない」ラムちゃんの統治スタイルは安部公房「砂の女(1962年)」の決め台詞「罰がなければ、逃げるたのしみもない」そのもの。支配者として完璧過ぎ。事実としての抑圧が存在しない以上、そもそも誰にも抵抗の必要がある事すら認めさせない…https://t.co/2iwvgQ2zts
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年10月14日
「シンウルトラマン」の外星人第0号メフィラス「鼓腹撃壌、私の好きな言葉です」。それでも同時代、あえてこの絶望的戦いに単身挑む「人類独立戦争の英雄」を描いたのが松本零士「宇宙海賊キャプテンハーロック(1977年~1979年)」だったという…https://t.co/phd4AydfeM
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年10月14日
「人類を魅了して手懐け様としているインベーダーが、人類の目から見て魅力的な姿をしてるのは当然の事だ。検討に値しない」と切り捨て、容赦無く魅力的な美女姿のマゾーン達の成敗を続けるハーロック一行。それと対比的にあっけなく彼女達に屈服していく「豚の様に惰眠を貪る平和ボケした」地球人達… pic.twitter.com/w6l2QqGhw2
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年10月14日
結局、この不毛な戦いは1980年代まで続く事なく未完に終わり「抵抗する事自体が無条件で正義のお墨付きをもらえる時代」は少なくとも日本では終焉したのでした。という話をしたらヒップホップ音楽やってる若者から「へぇモッズのTwo Panks(1981年)の時代の話ですねぇ」と…https://t.co/rCOWhh76Cu
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年10月14日
まさに「政治的に過激なメッセージを突っ込んでナンボ」と思われてたロンドン・パンク・ムーブメントがいきなり自壊し、残されて途方に暮れた連中が気を取り直して「日本的なポップパンク」再建を始めた、そんな時代の始まりですねぇ、と指摘されたりしたという…https://t.co/8fKa0qgICD
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年10月14日
ポリス「僕らも最初はパンクバンドとしてスタートしたんです」後世のリスナー「え?やっぱりレゲエじゃん?」。大源流にあるのは「パリピ孔明」にも出てきた「クラブじゃEDMの間にトロピカル・ハウスみたいな緩やかな曲を流す」あのスタイル。https://t.co/lrdMOM6lc0
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年10月14日
しかしアニメ版「うる星やつら(1981年~1986年)」はあえて「レゲエ調」でも「当時流行のラブコメ調」でもなくサンバとかカリプソといった別の南国調ラインを開発。ヘレン笹野歌う「心細いな」も本当はしのぶが歌う内容なのをラムちゃんが簒奪した様な内容でしたが…https://t.co/IIPYWgRXQz
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年10月14日
バージンVSメンバーが「恋のメビウス(1984年)」をオリジナル楽曲として供給した頃までには完全に「見た目上はスタンダードなラブコメに映る」擬態が完了してしたのでした。https://t.co/3PK3OCXx8U
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年10月14日
ちなみに、かかる「"インベーダー"ラムちゃんの支配下に置かれた優しい世界」にも「(あたるの凶運を馴れ初めとする為)二人が結ばれてハッピーエンドとなる未来が皆無に近い」なる重要な欠陥があったのですが… pic.twitter.com/tCVC3eAaiq
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年10月14日
途中でMCUの世界ですら前代未聞の「(しのぶと結ばれるルート全放棄を伴う)マルチバース全破壊イベント」があったので皮肉にも「明日の見えない」ロマン主義的世界観が成立…という話を新エンディングの「歴史改変」を眺めながら思い出していた次第。https://t.co/0eONztGlrK
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年10月14日
先述のヒップホップやってる若者「誰も将来を見据えた正解なんて出せないのに、それでも選択自体は続けないといけなかったのがしんどいですねぇ」とも唸ってました。高橋留美子の「(誰も殺せなくなった)カオス状態の受容」と松本零士の「(それでも敵を殺し続ける)継戦意欲」の対峙もまた然り… pic.twitter.com/Bb78SB8ov5
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年10月14日
ただそれ自体はいつの時代も変わらないのかも。高橋留美子が「漫画家を長く続けるコツは?」と聞かれて「面白いと感じる事が昨日と今日で違ったら、今日のそれに乗り換え続ける事」と答えてたの思い出しました。実際、上掲の「選択肢」のダメを詰める形で…https://t.co/gVRGOVjutH
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年10月14日
ただそれ自体はいつの時代も変わらないのかも。高橋留美子が「漫画家を長く続けるコツは?」と聞かれて「面白いと感じる事が昨日と今日で違ったら、今日のそれに乗り換え続ける事」と答えてたの思い出しました。実際、上掲の「選択肢」のダメを詰める形で…https://t.co/gVRGOVjutH
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年10月14日
キム・ヒョナ&ビースト「Trouble Maker(2011年)」とか…https://t.co/NvozFbkPr1
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年10月14日
遠藤達哉「SPYxFamiry(2019年~)」みたいな新基軸が次々と発祥し続けてきたという…https://t.co/KqeN7WATkq
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年10月14日
そんな感じで以下続報…