こっちの話も出てくる?
今回の発端は以下のTweet。
物語世界で、お姫様やお嬢様が武器を取って戦ったりするのは、ポリコレ的な平等感とかでなく、キャラクターを立てるための演出技法の常道だから……日本で言えば
— 田中桂 (作家) 人道的な仕事と、FANBOX支援者募集中です (@TanakaKei) 2023年4月29日
「剣客+商売」とか「美少女+戦士」とかね。
現実ならありえない組み合わせだから、物語になる。
アニメの記憶を辿ると、マリア・フリードは真正のお姫様が戦士として最前線に身を投じるキャラだったか。少し遡って、弓さやかも博士の令嬢ではあるしな(でも可哀想に戦闘訓練受けるために高校には行かせてもらえなかった)。
— 田中桂 (作家) 人道的な仕事と、FANBOX支援者募集中です (@TanakaKei) 2023年4月29日
話の主題は「あくまでキャラ立ての技法のひとつであって、戦うお姫様は、その例に過ぎない」というところにあったのだが、私が変な方向に話を広げてしまったか。
— 田中桂 (作家) 人道的な仕事と、FANBOX支援者募集中です (@TanakaKei) 2023年4月29日
「ベルバラ」のオスカルは「バスチーユ牢獄襲撃事件に参加した貴族将校」への興味が最初(最初からそこでの殉死が確定)、「マリーアントワネット妃を守る騎士」と規定されたのは原作がマリーアントワネット視点だったかららしいですね。https://t.co/RxwQqoGaTs
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年4月29日
「物語文法に原型を提供する遺伝子プールは、そういう思わぬ歴史的外挿要因によっても拡張されてきた」という話ですね。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年4月29日
「昭和サイバーパンク」
— 蒸気宇宙船 消費者は反社会勢力 (@stespashi) 2023年4月29日
「21世紀ノスタルジー」
只今構想中のジュヴナイルです https://t.co/HDAHmhLfs9
そして…
ここで話がややこしくなるのが、海外において「日本におけるバトル・プリンセス概念(ツンデレ/ヤンデレ属性持ち)」の大源流と目される「金色夜叉(1892年-1902年)」赤樫満枝さんの経歴の複雑さ。 https://t.co/LcPflVr7Tr
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年4月29日
①没落した下級士族の娘なので最初から小太刀の達人。②父親が高利貸しに妾として売り付け、逆に母屋を乗っ取って父と夫への復讐を果たす形で「毒婦」として完成。「お嬢様笑い元祖」ともされるが、そもそも、あの「ほほほほっ」自体が「高利貸しの成金笑い」由来という。https://t.co/NN6bqE4zIf
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年4月29日
③その後(自分を振ったお宮を諦めきれない)貫一を雇い突如「乙女」として覚醒するも、感情をパワハラでしか表現出来ず(ツンデレ描写元祖)、貫一がとぼけ抜くので(聞いてない描写元祖)、拗らせた末に貫一に小太刀を突きつけ「私に死ねと命じるか、お宮を殺せと命じるかお選びください」と言い出す…
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年4月29日
実際には夢オチで(ヤンデレ表現とループエンド元祖)、以降話は迷走し作者死亡で未完のまま終了。ちなみに海外マニアがこの作品に目をつけたのは高橋瑠美子「うる星やつら」「めぞん一刻」で引用が多かったから。青空文庫で読めたのも国際的にこういう話が広まった理由の一つ?https://t.co/yNn5XoGOWr
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年4月29日
高橋瑠美子が引用…例えば「金持ちが笑うと歯がキラリと光る」あれの由来も赤樫満枝さんで、オリジナルは光枝さんのダイヤモンドの入れ歯が光った貫一が「所詮は成金毒婦」と我に返る場面。 https://t.co/6KcuNQQmuA
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年4月29日
1930年代に入ると江戸川乱歩の通俗小説などにより「成り上がる過程で非道を働き、その復讐として無垢の令嬢が惨殺される」展開が登場。戦後は横溝正史の「旧家解体物」に継承されます。当時の少女月刊誌にはシャーロック・ホームズ「まだらの紐」「ぶな屋敷」翻案も。https://t.co/LP2ajT7IL6
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年4月29日
歴史のこの時点において、もう日本の創作世界には「少女恐怖小説で犠牲となる美少女」「悪役令嬢」「才覚だけで成り上がるシンデレラ・タイプ」が出揃っていたという話?https://t.co/4IxRp3JIUc
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年4月29日
出発点でこれだけアドバンテージがあったからこそ、SAOのアスナさんの様に「学校で優等生タイプであったが故にデスゲームの最中、伝説の使い手として台頭する」斬新な展開で世界を感動させる展開も生まれたという… https://t.co/pOZrUrVcBT
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年4月29日
さらにいうとTumbr全盛期(2010年代前半)そこに割拠した第三世代フェミニズム勢力、そもそも「既にフェミニズム文学の急先鋒メは日本の漫画アニメGameに移行した」と主張してたりして。 https://t.co/GxY50SfPa2
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年4月29日
第三次世代フェミニストの姉様達まで乗り出してきたくらいですから、日本における展開は「守る性と守られる性の逆転」みたいな単純な流れではなかったのです。実際、このグループから出た米澤穂信が後に直木賞を受賞しています。 https://t.co/8tVv77d8Ym
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年4月29日
そして…
個人的メモ。以下の投稿で「物語文法とその遺伝子プール」という話をしましたが…https://t.co/yu1rsm6mxB
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年4月29日
ここでいう「遺伝子プール」のさらなる複雑さ。①太平洋敗戦直後、 GHQ支配下の日本では女剣劇を除いてチャンバラ物が禁止ないしは強度の自粛状態にあった(諸説あり)。②かくして女剣劇が大衆娯楽として大躍進。激しい競争を勝ち抜く為に「太腿チラリズム」が追求される。https://t.co/dYUstFR1hz
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年4月29日
この「女剣劇」ジャンルがまだ現存してるのが日本の伝統芸能の奥深さ…https://t.co/rHd9L9wrrK
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年4月29日
③そして、ある意味この系譜から藤純子主演の「緋牡丹博徒」シリーズや梶芽衣子主演の「女囚さそり」「修羅雪姫」シリーズが分岐。https://t.co/Hne80wyns8
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年4月29日
この辺りの「遺伝子プール」は掘り下げるとさらにドロドロと…https://t.co/FRaMqlbqQ5
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年4月29日
さらにドロドロと…https://t.co/xdXI1zMjCm
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年4月29日
そんな感じで以下続報…