今回の投稿の発端は以下。
「ウィルス」と「ゾンビ」が当然のように結びついたのって割とここ最近なんですよね。これはかなり「バイオバザード」の影響があったんじゃないかと思う。そして「ウィルス」というオカルトに代わる方便の登場によって、かなりゾンビ映画を作りやすくなった気がする。
— 人間ジェネリク (@DividedSelf_94) 2022年1月4日
「ナイトオブザリビンングデッド(1968年)」段階で、確か「謎の流星があってから」とかでしたっけ?
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年1月4日
あれ、それ「ゾンビのメテオバージョン」じゃなかったっけ?(自分も長らく見返してないので混乱w)
— 人間ジェネリク (@DividedSelf_94) 2022年1月4日
なんかそういう表現のある予告を見た事がある割に、本編でそういう表現があった印象がないのです(私も随分見返してない)。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年1月4日
あ、それはゾンビの方です!
— 人間ジェネリク (@DividedSelf_94) 2022年1月4日
日本ヘラルド社が「メテオ」から勝手に未使用映像を切り貼りして、隕石によってゾンビが生まれたと言う説明を付けたのです!
たぶんその予告をみたのですね。今では視聴困難なレアバージョンですよ。生き証人! pic.twitter.com/8irx8PpmVJ
日本のTV放送版独自の設定だったみたいですね。https://t.co/WbPlOWmdLa
— lazykitty (@caazzy) 2022年1月4日
ありがとう御座います。長年の謎が解けました。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年1月4日
原因はハッキリしてません。人工衛星が落ちて放射能が、てな推測は作中ニュース場面で語られたんじゃなかったかなぁ。バタリアンは軍が開発した特殊ガスで、細菌やウイルスという発想はまだなかった。
— 樫原辰郎 (@tatsurokashi) 2022年1月4日
何故かいきなり列車砲が核弾頭打ち込んだ記憶が。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年1月4日
調べ直してさらに思い出しました。①「Night of the Living Dead(1968年)」の元ネタはリチャード・マシスンのホラー小説「地球最後の男(I Am Legend,1954年)」で、こちらでははっきり原因が「宇宙からやってきたウィルス」と明言されている。https://t.co/MXfijVzfQF
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年1月4日
②ただし、それに感染した人間は「ゾンビ」でなく「吸血鬼」になる。この世界における「吸血鬼」は2種類あり、完全変態を遂げた人類は「太陽の光に弱い」吸血鬼そのものとなり、「なり損ない」はゾンビっぽい「日が暮れると生前の行動を再生する自動機械」になり果てる。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年1月4日
③日本における受容に目を転じると、その影響で生まれた藤子不二雄「流血鬼(1978年)」および横山光輝「バビル二世(1971年~1973年)」における「宇宙からきたニンニクに弱いウィルスが、ヨミを蘇らせる章」では、かかるゾンビ系が省略されている。https://t.co/JZl6S7oNXi
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年1月4日
一方「彼岸島」の世界観では「なり損ない」が「人間としての外観を保てなくなった悲しい存在」とされた(こちらは最初からウィルス説)。この様にゾンビ映画は吸血鬼映画の支流としてはウイルス説を継承しており、それを思い出したに過ぎない。https://t.co/5SKxO8THcH
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年1月4日
後者はどちらかというとハル・クレメントを源流とする「ウルトラマンー寄生獣」。つまり横山光輝は「巨大ロボット物」「忍者物」「超能力者者」「魔法少女物」に加え「ゾンビ系」「寄生獣系」にも先鞭をつけていた事になる。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年1月4日
ただ当時の読者がこれらの作品群から直接「ゾンビ」を想起する事はなく、ジョージ・ロメロ監督の独創はそこにあったのである(そこに直接の宇宙ウィルス説継承はなかった)。https://t.co/RWXW2scrwi
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年1月4日
なるほど、参考になります。
— 人間ジェネリク (@DividedSelf_94) 2022年1月4日
たしかにウィル・スミスのアイアムレジェンドは、ゾンビ映画ぽかったですもんね。
日本人では話題にならなかった「ゾンビ(グール)寄りの吸血鬼」としてアメコミ「30 Days of Night(2002年)シリーズ」なんて作品群もあります。映画版(2007年)がクズでブーム終焉。https://t.co/CQ7XkZse6D
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年1月4日
これ絵柄が鮮烈で石田スイ「東京喰種」に影響を与えた節が見られます。それにつけても「ジャンル創始者ではないが、二番目に必ず駆けつける男」横山光輝伝説がまたもや更新される形に。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年1月4日
なるほど、参考になります。
— 人間ジェネリク (@DividedSelf_94) 2022年1月4日
たしかにウィル・スミスのアイアムレジェンドは、ゾンビ映画ぽかったですもんね。
ちなみに「吸血鬼は死体」と歴史上初めて断言したのはゲーテ「コリントの花嫁(The Bride of Corinth、1797年)」です。さらなる大元は神聖ローマ帝国のオスマン帝国への大反攻。https://t.co/5I5Tp2tP38
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年1月4日
この時神聖ローマ帝国が奪取した東欧の地の伝承として「墓場の中から生者を操る死に損ないの死体(だから心臓に杭を打って息の根を止める)」が伝わったのです。この系列にはさらに「死んだ暴君の死体の心臓に埋葬後杭を打ってその魂が地上を離れられなくする呪術」が絡んできます。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年1月4日
とはいえ当時の欧州人はオスマン帝国の行進曲から「トルコ行進曲」を創造した様に「面白おかしい創作の元ネタ」しか求めてなかったので、こういう細部が反映される事はありませんでした。時期的に見て「クロワッサン伝説」の仲間。https://t.co/c60S49AsuZ
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年1月4日
そして…
最近「AKIRA」の話をしても「その超能力者ってなんで超能力者になったの?」て聞かれることが増えた気がする。「いや、サイキックものはそういうもんなので…」としか答えられない。ジャンルとしての力を失うってこういうことなのかなと思う。
— 人間ジェネリク (@DividedSelf_94) 2022年1月4日
進撃の巨人は巨人に対してちゃんと必然性とバックグラウンドが用意されてるじゃないですか。いまは、ああいう世界の構造含めて解説をするのが漫画のストーリーテリングの王道なのかな。
— 人間ジェネリク (@DividedSelf_94) 2022年1月4日
例えばジョジョの承太郎はバビル2世の影響で学生服で超能力を使うって作者自身のインタビューで言ってたと思うんだけど、あそこでスタンドという、うしろの百太郎みたいなアイデアと合体しなかったら、もっと早く超能力ものは衰退してたと思うよ。念だってスタンドの影響はあるわけだし。
— 樫原辰郎 (@tatsurokashi) 2022年1月4日
1stガンダムもそういう話だと思うんだけれど、サイキック(ニュータイプ)というのは、要するに限界に至った人類(オールドタイプ)に代わる者として登場するじゃないですか。その終末論的な世界観を捨ててリニューアルすると、「スタンド」や「念」になるのかなと。
— 人間ジェネリク (@DividedSelf_94) 2022年1月4日
70年代の超能力ブームを頂点として、80年くらいまでは、超能力は実際にあるという前提が世間にあったわけですよ。それが、それ以前からあったミュータントSFと合流して『宇宙へ』とか『スターレッド』、ガンダムのニュータイプが描かれた。今はたぶん、超能力をあると思ってる人が凄く少ない。
— 樫原辰郎 (@tatsurokashi) 2022年1月4日
たぶん80年代の終わり頃に、やっぱり超能力とかないし、俺たちがミュータントになる未来もないなぁとなって『終わりなき日常』がどうのという奴が登場する。
— 樫原辰郎 (@tatsurokashi) 2022年1月4日
「終わりなき日常」って、つまり終末論の終焉ですからね。
— 樫原辰郎 (@tatsurokashi) 2022年1月4日
やっぱりガンダムっぽいw
— 人間ジェネリク (@DividedSelf_94) 2022年1月4日
Zガンダムもやっぱりそんな話じゃないですか。次世代・ニュータイプ同士なら分かり合えると思ってたのに、何も変わらない、むしろ酷い!っていう諦観。あれ5年分のタイムラグが現れてたんですかね。
そうなのよ。割と時代の記録としての値打ちあるZ。
— 樫原辰郎 (@tatsurokashi) 2022年1月4日
そして…
なるほど。
— ちゃか@ぽこ【コミケ帰りカラオケ行脚】 (@chacapoco2000) 2022年1月4日
超能力ものが衰退して見えるのは、
超能力そのものへの興味が
衰退してるからなのか。
共通認識が失われたら、
コミケでのSFみたいに、
ジャンルごと消滅する…と。 https://t.co/NaSnh7FRwR
ジャンルというよりも、30年近く前の内田 春菊『南くんの恋人』の初版あとがき に「なんで ちよみ は小さくなったのか」と意味や設定をあれこれ聞かれたという内容が書いてあったのを思い出したのだけど…… そういうことにこだわる人っているよねって感想かな。「最近」ということでも無いと思う。 https://t.co/12I8wTvaUy
— 裕美 HIROMI (@HIROMIcocteau) 2022年1月4日
そうか、ジャンルがそのジャンルであるというだけで十二分に前提となって説明なんか不要だったはずなのに、そこらへんの力がもう創作物の領域にはないのか。https://t.co/Yl2P2XaTmv
— わがままコブラ (@wagamamacobra) 2022年1月4日
マッド・サイエンティストって、常人に理解出来る理由や動機であんな訳分からん研究とか実験とかやってないわけで、それがもう「マッド・サイエンティストだから」というだけで立派な前提になってたのが、今はもしかしたら「なぜマッド・サイエンティストになったのか」まで説明する必要があるのかも。
— わがままコブラ (@wagamamacobra) 2022年1月4日
アメコミの日系ヒーローは割と「投下された原爆の放射能」で超能力を獲得する模様。そりゃ「ウルヴァリン・サムライ」が原爆投下場面から始まる訳ですね。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年1月4日
アメコミは放射能すきだよねw
— 人間ジェネリク (@DividedSelf_94) 2022年1月4日
あれは分かりやすいから、今もウケるんだと思う。
60年代の空気です>原爆
— くまちゃん@UNITY (@SnowBeeeeX) 2022年1月4日
破壊的なテクノロジーの象徴。
今のコンピュータやネットみたいな扱い。
シオドア・スタージョン「人間以上」で同時期にエスパーが大量発生したの「人類そのものが種として次の段階に進もうとしたせい」でしたっけ。てんでバラバラのメンバーが集まる辺り「サイボーグ009」や「幻魔大戦」に影響を与えたという説もありますが、一応日本にも「里見八犬伝」という先例が。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年1月4日
「009」や「幻魔大戦」の「何か裏に物凄い壮大な構想があるが、読者に完全な形では示されない」感も「里見八犬伝」が大源流だったりして。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年1月4日
ワイルドカードシリーズだと彗星だっけ。https://t.co/Vk1kbNGg8F
— くまちゃん@UNITY (@SnowBeeeeX) 2022年1月4日
ドイツのSFシリーズ『ペリー・ローダン』にも、タコ・カクタだのウリウ・セングだのといったへんてこな名前の日本人超能力者が多数出てきますが、やはり広島・長崎の原爆の影響で超能力を得た設定になってましたね。https://t.co/McARwCV9L3
— 唐沢俊一 (@karasawananboku) 2022年1月4日
009は「人気が出たから続いた」だけの思いつきで…
— くまちゃん@UNITY (@SnowBeeeeX) 2022年1月4日
悪い武器商人と戦う話が最後は天使と戦うとは…
幻魔大戦はまんまゾロアスター教ですね。
ほんとはここで終わりなのに… pic.twitter.com/qwCttjpnIJ
— くまちゃん@UNITY (@SnowBeeeeX) 2022年1月4日
そんな感じで以下続報。