実験中は複数の関係者がロボットを囲むように移動していたが、「巡回警備中デス」と音声を発しながら巨大メカが自走する光景はまさにSF。めっちゃ『サイコパス』に出てきそうである。ていうか、確かこういうのいたよな。
朝日新聞によると、「ペルセウスボット」は自身のAI監視カメラと構内の定点カメラを連係させ、不審な動きをする人物や置き去りにされた荷物などを検知すると、駅員のスマホに通知するそうだ。非常にハイテクだが、あくまで駅員や警備員のサポート役ということだろうか。
しかし、いずれはさらなる進化を遂げ、危険な犯罪者と判断した時点でリーサルモードへと移行。「対象ヲ排除シマス」とか言いながら内部に搭載されたレーザーで躊躇なく目標を駆逐する……など『サイコパス』な妄想がはかどってしまう。
文章を読む限り、現実世界のそれはまず士郎正宗「攻殻機動隊(1989年)」に登場した「(浮浪者の居住や泥酔者の奇行などを検知する)ビル・メンテナンス・システムの一端末」としてリリースされる展開に。そして話は次第に「見せる警備」の領域にまで踏み込んでいく展開を迎える?
『見せる警備』というのは、下見に来た犯人に、この警備業務対象施設等は警戒を厳重にしているということを見せつけることで侵入する意志を事前に削ぐことを目的にした業務だよ。要するにあくびしながら巡回している警備員がいたり、不審物を放置しっぱなしだったりすると逆効果だってことだよ。
— 警備業法くん (@shidoukyou) December 12, 2018
『見せる警備』の効果は「何も起きない」事が成果なのでなかなか可視化しづらいけど、再犯歴のある少年たちへの調査結果では、警備員が配置されているお店では42.9%が万引きを断念したという調査結果が出ているよ。(田中智仁『警備業の分析視覚』p.206)
— 警備業法くん (@shidoukyou) October 15, 2018
「見せる警備」は
— メル (@0afFzxTAhCytUmv) October 15, 2018
万引きを抑止する効果があるかもしれませんが
一方で万引きなどしたことのない人達をも、むやみに威嚇して人権侵害が起きています
可視化しづらいのをいいように利用してはいませんか
見せる警備を否定はしませんが
やり方を誤るとそれ自体が犯罪行為となりかねません#万引き #冤罪
見せるだけならいいと思う。
— ポポ (@ERGmU9EsGZF0NE9) October 15, 2018
以前深夜のスーパーは入り口に警備員が立っていた。でも感じ悪い態度は無かった。でも登録されてからは「自分にだけ警備員が付き纏う」状態です。
ロボット概念の起源は産業革命開始に伴うデフレ信仰の始まりまで遡る訳ですが、こと治安の分野ではまた特別なニュアンスを含む様なんです。
考えてみればこういう問題は産業革命前夜、すなわち欧州において再版農奴制や大西洋三角貿易といった農本主義的資本主義が急激に発達して富の偏在が明確化した時期には既に明らかになっていたとも?
まさにこういうジレンマに警鐘を鳴らしたのがP.K.ディック「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?(Do Androids Dream of Electric Sheep?、1968年)」だった訳で、一周して出発地点に戻ってきた感がある?