ふと思いついた小ネタ。この世には「あってもおかしくないのに実在せず、とはいえ実在したからといって特に使い道が思い浮かばない」概念が存在します。例えば「三辺比が1:sqrt(2)(平方対角線):sqrt(3)(立方対角線)の三角定規」…そもそも私は最近までこの三辺比について考えた事もなかったし(ピタゴラスの定理からそれが直角三角形になる事だけは分かる)、ネットで幾ら検索してもそれに関する話題が全然引っ掛かってこなかったのです。
「輝くトラペゾヘドロン」を拾ってしまった人の心境はこんな感じかもしれません。
実は立方体における各辺(Edge)と平方対角線(Square Diagonal)と立方対角線(CubicDiagonal)の関係を把握するのに中々便利だったりします。
ところがどうやらそもそも立方体をこう見る発想自体が珍しいらしいのです。
立方体には立方体角線=対蹠のセットが4個あるので4方向からこれが試せます。
それではこの三角定規、どう使うのでしょう? 原蹠から出発する3枚の正方形の平方対角線を求めると、その立方体の表面にまず「三辺比1:1:sqrt(2)の二等辺直角三角形」が3枚現れます。よく見かける三角定規セットの1枚ですね。
そしてこの中間点と反対側の対蹠を結ぶと件の「三辺比1:sqrt(2):sqrt(3)の直角三角形」が3枚現れるのです。
このプロセスは真逆にも行えます(反対側の対蹠から同プロセスを遂行する感じ)。
実は「最初右に曲がったら次は左に曲がる」「最初左に曲がったら次は右に曲がる」ルールが存在し、そのルールに従って進路を逆にも取れます。こうした制約がある事を数理の世界では「四元数には可換性がない」と表現するのですが…
虚数i^2=-1の3次元拡張
- i^2=j^2=k^2=ijk=-1
- ij=k,jk=i,ki=j
- ji=-k,kj=-i,ik=-j
i | j | k | |
---|---|---|---|
i | -1 | -k | j |
j | k | -1 | -i |
k | -j | i | -1 |
正十二面体や正二十面体での「不完全な」検証結果を突き合わせると実はこうじゃないかとも思えてくるのです。
- 「円内を2n+1回直角に曲がって原蹠と対蹠を結ぶ」偶数系(Even=2N System)に分類される二次元操作系(2D Operation System)では操作が1回しか存在せず「順序と進行方向」問題は発生しない。
- 「円内を2n回直角に曲がって原蹠と対蹠を結ぶ」奇数系(Odd=2n+1 System)に分類される三次元操作系(3D Operation System)では操作が2回あるから「順序と進行方向」問題が発生する。
ちなみに「円内を2n+1回直角に曲がって原蹠と対蹠を結ぶ」偶数系(Even=2N System)に分類される二次元操作系(2D Operation System)とはこれ。
円周上の任意の中間点に直角が現れる事を保証しているのは「タレスの定理」で、おそらく四元数の「2回直角に曲がる振る舞い」も同じ数理に基づいている筈です。
「正十二面体や正二十面体では不完全な検証しか行えない」のは上2例の様に「直角を巡る操作」ではないからです。本格的な確認には「円内を3回直角に曲がって原蹠と対蹠を結ぶ」四次元空間や「円内を4回直角に曲がって原蹠と対蹠を結ぶ」五次元空間などでの検証が必要となるのですね。だけど我々には進化状の制約からそれが想像すら出来ないという…
そんな感じでとりあえず以下続報…