世界に選ばれたのは荒川弘「鋼の錬金術師(2001年〜2010年)」や九井諒子「ダンジョン飯(2014年〜)」や吾峠呼世晴「鬼滅の刃(2016年1〜2020年)」だったという話。
一般に「女性作家の特徴」というと…
『鋼の錬金術師』では、序盤で兄弟が旅の途中で行きずりの妊婦の出産に立ち会って生命の神秘に感動して「禁忌を犯して命を作り出そうとした自分たちは…」と振り返るんだけど、「リアルな出産に立ち会って感動」ってあんまり男性作家の作劇のレパートリーにはないと思うんだよ。
— いけさん ィェィㇴ太郎 (@is_ikesan) 2020年5月17日
これは流石に、人体錬成が物語上でキーになるので作家が誰であっても入れたエピソードだと思う。
— にゃほ (@Temp002a) 2020年5月19日
確か美味しんぼにちらっと。
— HitoShinka -ヒトシンカ-@文筆業/『シンカ論』note連載中 (@hitoshinka) 2020年5月18日
後に荒川弘先生が女性である事を知ったのと「百姓貴族」を読んだことにより、こういうところから「ハガレン」の独特な生命倫理観は生まれたのだなあと妙に得心がいったのを覚えています。 pic.twitter.com/pbxy55ojGN
— 民放 (@eXOdNHTWDeYwe8D) 2020年5月18日
荒川先生の描いた出産は、女性の出産というより、酪農家出身による牛等の出産がベースにある描き方だと思います。
— GOママ ぴちゃりん (@ryocallago) 2020年5月18日
自分が産む性としてより、客観的な見方からの描写に見えます。
出産のシーンは、荒川先生が女であることよりは荒川先生の農家出身という生い立ちにあるような気がします
— ちぇりーちゃん🍒💉 (@k_od11) 2020年5月19日
命が生まれて死んでいく瞬間を本人が目にして育ってるという
ゆうきまさみさんの「じゃじゃ馬グルーミン☆UP!」のような畜産物ではあると思います。メインは馬の出産ですがw
— 中里キリ (@kiri_nakazato) 2020年5月18日
例えば、『のび太の結婚前夜』でしずかちゃんのパパは娘の出産に感動するんだけど、あれはまさしく男性的な感情の発露で、それは「自分の血を引いた存在が生まれた」感動であり、「父となった責任」への畏怖なんだよね。出産そのものに対してのリアクションではないんだよ。 pic.twitter.com/oQA6Te7GoJ
— いけさん ィェィㇴ太郎 (@is_ikesan) 2020年5月17日
出産に対する男女の意識の差を感じるわけですよ。
— いけさん ィェィㇴ太郎 (@is_ikesan) 2020年5月17日
そういう意味で『男性的な男性キャラクター』を描いている女性作家を考えると中村うさぎが出てくるね。『ゴクドーくん漫遊記』のチンゲンツァイ国編に、敵の攻撃を避けて屋内に逃げ込んだら仲間が出産中で、「中にも外にも居場所がねえ!」と男性陣が毒づくシーンが出てくるんだよ。
— いけさん ィェィㇴ太郎 (@is_ikesan) 2020年5月17日
これは本当に「出産に対する男性の心境」だと思うんだよね。男性キャラが出産を「自分の外側の一大事」として捉えているんだよね「己の営みの一部」とは捉えていないないんだよ。(まあこのシーンは『雄のパンダの出産』というギャグシーンではあるんだけど)
— いけさん ィェィㇴ太郎 (@is_ikesan) 2020年5月17日
ここで思い出すのが、国際SNS上の関心空間が全盛期だった2010年代前半、そこに屯っていた匿名女性アカウントの間で流行した、とある「遊び」…
ルールは簡単。テッド・チャン(Ted Chiang、姜峯楠)「あなたの人生の物語(Story of Your Life,1999年, ネビュラ賞中編小説部門/シオドア・スタージョン記念賞受賞)」を、あえて「母親」=武内直子「美少女戦士セーラームーン(原作1992年〜1997年)」のヒロインたる月野うさぎ(Serena Tsukino/Princess Serena)、「娘」=「未来からきた幼女」ちびうさ(Rini/Sailor Mini Moon)と重ねて読むという内容。
発表時期が同じ1990年代で「父性の不在」といった価値観の共有が見られ思うよりしっくり馴染むのですが、その結果得られる読後感たるや「一行読み進めるにつれ全身の穴という穴から血肉を壮絶な勢いで噴出し続け、最後の有名な一行に完全なる空虚状態で到達する」といった壮絶なもの。やだなぁもう、これじゃ娘の夭折を契機に創作活動を開始したニューオリンズ出身のアン・ライスの残酷譚なんて軽く超越して、クライヴ・バーカー(Clive Barker)「ヘル・レイザー(Hellraiser、原作「The Hellbound Heart」1986年, 映像化1987年年〜2000年代)シリーズ」の世界観じゃないですか。ある意味「(人間を人間たらしめている要素を超越した)欲望の極限肥大化結果」を探るシミュレーションの一環…
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督映画「メッセージ(Arrival, 2016年)」が、明らかに甘かったのがこの部分。というか、おそらくその箇所が丸々(尊敬して止まない)アンドレイ・タルコフスキー監督の映画「ストーカー (Сталкер, 1979年)」における「案内人の娘」描写に差し替えられているというのが私の見解。そういう事をするから、どうしてもこの監督が好きになれない…
ところで話を国際SNS上の関心空間の全盛期(2010年代前半)に戻すと、そこに屯っていた匿名女性アカウント群の間には「女子は可愛いものと同じくらい猟奇が好き」なる標語が存在開いていました。
まぁ、要するに楳図かずおの「少女向け怪奇漫画」の衣鉢を継いだ伊藤潤二漫画の国際的人気の背景にある感情ですね。
早く収束しますように。 pic.twitter.com/JcgPHkK2jd
— 伊藤潤二 (@junjiitofficial) 2020年5月1日
I used to love Sailormoon as a kid! Now I love Tomie. Character development. 🤣 Notice me @junjiitofficial #junjiito #drawing #sailormoonredraw #tomie pic.twitter.com/yGgIKHcQww
— Dominic Ian Cabatit (@DominicIan4) 2020年5月20日
sailor moon redraw but it's @junjiitofficial 's uzumaki manga series.#sailormoonredraw #artph pic.twitter.com/DQxOYm2Vv3
— lanxe (@Art_Drago) 2020年5月20日
そんな感じで以下続報…