日本のリベラル勢が中国国防省報道官の思わぬ発言に困惑している様です。いきなり「人間は引き籠りでオタクの修正主義者か、積極的海外進出主義の科学的マルクス主義者に二分される」なんて線引きが現出。早速対応しないと時代においてけぼりにされてしまいますよ?
【北京=西見由章】中国海軍の24日の発表によると、空母「遼寧」の艦隊は初の遠洋訓練のため西太平洋を目指している。空母の本格運用により軍事プレゼンスの拡大を誇示し、米軍を排除する「接近阻止・領域拒否」の能力強化をアピールする狙いがある。
「空母は“(家に閉じ籠もる)オタク”ではない。軍港にとどまり続けることはない。将来必ず遠洋航海に出る」(楊宇軍・中国国防省報道官)。人民日報系の環球時報(電子版)は24日、2013年4月の楊氏のこの発言が「現実となるまでに3年を要した」と報じた。
ウクライナから購入した遼寧は、装備を取り外した状態で引き渡されたため、蒸気タービンによる動力システムの修復が難航。現在も艦載機の殲(J)15は出力不足が指摘される上、遼寧にはカタパルト(射出機)がなく、搭載武器の重量も制限されている。
パイロット不足も深刻で、今年4月には模擬着艦訓練中に操縦士が事故死。過度に訓練が強化されているとの指摘も根強い。
にもかかわらず、中国海軍が性急に空母の運用開始を進めるのは、20年までに世界の各海域に空母を展開することを目標に掲げているためだ。大連で建造中の初の国産空母は来年初めにも進水する可能性が高く、上海でも別の国産空母が建造中とみられる。
今回の訓練について中国海軍の梁陽報道官は、「年度計画に基づき実施される」としている。ただ、中国への強硬姿勢が目立つトランプ次期米大統領を牽制するため、本格運用をさらに急いだ可能性がある。
中国の一部の学者は、20年までに南シナ海の人工島建設を完了して米軍を排除し、21年にも台湾に軍事侵攻するとの予測まで公表している。米軍との火種を抱える海域で、その影響力排除に向けて空母にかかる期待は大きい。
ただ、実際に空母が軍事プレゼンスを示せるまでに「どんなに急いでもあと5、6年はかかる」(軍事研究者)との見方もある。中国メディアは遼寧艦隊の実戦能力を強調するが、練習艦としての位置づけに変化はないとみられる。
アジアと日本にとっての最大の軍事的脅威が中国であることは 明々白々だ。中共に対するあらゆる幻想は捨てておくべし。「抑止力による平和」以外に、われわれには生きていく道はないのだ。https://t.co/oNp5Wn3ulj @Sankei_newsさんから
— 石平太郎 (@liyonyon) 2016年12月25日
脳天気に「中国が豊かになれば戦争を起こそうとはしない」と言ってODAや技術供与、工場移転を繰り返した結果がこのザマだよ。そういっていた人達今どんな顔しているんだろうね。 / “【中国空母、太平洋進出】2020年までの世界展開狙う…” https://t.co/3ZdXWn9XYO
— Barton (@Barton_2672bbj) 2016年12月25日
韓国軍と韓国メディアも「いよいよ中国軍の本格侵攻が始まった」なる論調。
韓国軍筋は25日、中国海軍の空母艦隊の威力について、「米国など西側の専門家は中国の空母艦隊が完全に運用できるようになるまで4-5年以上かかるとみていたが、その進度が予想より速そうだ。初の西太平洋実戦演習に乗り出したことからみて、初期の運用水準は超えたとみられる」と述べた。
ウクライナの中古空母を改造した遼寧は2012年9月に就役。13年から本格的に演習を開始した。韓国軍関係者は「空母は絶対に単独では動かず、駆逐艦、護衛艦、潜水艦などの護衛を受けて機動する。空母艦載機も保有する空母艦隊は対艦・対潜・対空などの作戦を立体的に遂行できる」と述べた。空母艦隊の作戦半径は数百キロメートルから1000キロメートルに及ぶ。同関係者は「中国の空母艦隊が西海で完全に稼働すれば、韓半島(朝鮮半島)全域が作戦半径に入る可能性がある」と述べた。今回遼寧などが演習を行った青島沖は韓国の平沢海軍基地から400~500キロメートルの位置にある。
現在「海洋崛起(くっき)」に拍車をかける中国は第2、第3の空母建造を同時に進めている。遼寧省大連市で建造中の第2の空母は船体の基本的な組み立てが完了した状況だ。作戦コード名「001A」と名付けられた中国国産初の空母の大きさは遼寧(全長300メートル)と同程度だ。しかし、香港紙明報は「戦闘力は遼寧の6倍に達する」と報じた。艦載機は40機余りで、遼寧を10機ほど上回るとされる。また、先端レーダーと防空ミサイル、弾道ミサイルなども搭載し、2018年ごろに実戦配備される見通しだ。
中国は上海周辺でも第3の空母を同時に建造している。韓国軍消息筋は「空母艦隊が3つなければ、演習、修理などを順番に行い、威力を発揮することができない」と説明した。米国が現在10隻余りの空母を保有していることからみて、中国はさらに空母拡充を急ぐとの見方が有力だ。
アン・ヨンヒョン記者
実際の歴史と国際常識に照らし合わせると、むしろこうした中国の態度こそが共産主義の本質。世界中でその事実から目を逸らしてきたのは「インテリの感傷主義」から、国際的に孤立してまで共産主義が平和主義者と信じ込もうとしてきた戦後日本のリベラル層だけだったともいわれています。
最近著名な文化人の共産党入りが続出しているが、青年層の場合と違って、学識を身につけて久しい文化的老練家の場合には、なぜ今まで共産党に入らなかったか、今に至ってようやく共産党に入るのは何故か、ということを第一に考える必要があるだろう。
今まで、政治的関心がなかった、とか、政治について無知であったとすれば、彼らが他の分野に於て身につけた専門的学識も、畸形的なもので、だいたいゼロに等しいヤワな学識であったと判断してよろしかろうと思う。
保守思想と進歩思想というけれども、日本の政党に進歩的な思想があるかどうかは疑問である。例を進歩的の代表選手と目される共産党にとって考えてごらんなさい。反アメリカ的対立感のせいもあるでしょうが、日本共産党は民族独立ということを云う。この狭小な国土に八千万を越す日本人が民族独立して、いかなる果実がもたらされるというのであろうか。共産主義の理論などは問題とするに足らない。この狭小にして、天然資源も豊かではない国土と、八千万を越す頭の数を見るだけで、明白なのである。かりに全世界の各民族が独立して各自共産主義国家となったと仮定して、その際、最低の生活を営む民族は先ず日本であろう。共産主義政府が樹立され、搾取階級がなくなっても、戦争に焼きはらわれた資源乏しいこの狭小な国土から、安定した豊かな生活がでてくる筈はないのである。
だいたい、日本の共産党がかかげているスローガンには、進歩思想の本質的なものが欠けており、むしろ、最も保守的であり、反動的なものである。
第一に、人員整理・クビキリ反対ということをお題目的に唱える。
すべて進歩的なるものは機構の改良を第一とし、必然的に人員整理を伴うべきものである。転換すべき時にお茶を濁し、無役な人員をかゝえて、人員のために無用な役務をでっちあげて失業者なきことを是専一とつとめていたところで、進歩や改良の行われる筈がないではないか。
進歩改良には必然的にクビキリが伴うべきものであるから、政策の重点の一つは、整理された人員の職業転換という対策でなければならぬ。シャニムニ、クビキリ反対をお題目的に唱える共産党の在り方ほど、保守反動的なものはない。
ともかく、現在、保守政党とよばれている政党には、現実に即した進歩的な政策がある。機構を改良し、人員を整理し、失業人口をたとえば土木方面へ向けて、観光日本の建設をはかるという。この方が共産党よりも、はるかに現実的であり、進歩的な方法なのである。
クビキリ反対を唱える共産党が、かりに政権をとったとして、人員を整理し、機構を改良せずに、我々の生活水準を向上せしめる魔法的方法があると思っているのだろうか。ただ単に搾取階級がなくなったぐらいで、この狭小にして資源の乏しい国土から、多くのものは決してもたらされはしないのだ。
日本の共産党はクビキリ反対を唱えるばかりで、積極的な建設案を持っていない。農業問題にしても、狭小な国土から収穫を増加するための肥料の研究とか、寒冷地や積雪に対する農産物の科学的対策研究とか、そういう進歩的な具体的な建設作業に資金をつぎこんでいるということも聴いたことがない。
共産党の本家本元のロシヤがそうで、あれだけ広大な国土を持ちながら、広大な寒冷地帯をほッたらかして、やたらと温暖地へ侵略南下作業を行っているばかりである。原子バクダンの研究製造などに何百億つぎこむよりも、科学陣を総動員して、寒冷地帯を農耕化する研究に没頭した方が、はるかに進歩的であり、平和的であると思われるが、こういう一番大切なことが、共産主義国家に於ては、常に二の次、三の次、殆ど問題ともされておらぬのである。どこに進歩性があるのであるか。
そもそも日本で「構造改革」といったら、日本の小泉内閣(2001年〜2006年)が掲げた経済政策スローガン「聖域なき構造改革」だったりする訳です。これ元来はイタリア共産党やユーロ・コミュニズムが戦後積み上げてきた「社会民主主義的現実路線」を指す用語で、日本共産党や日本社会党はそれに「修正主義」のレッテルを貼って徹底拒絶を貫いてきました。こういう「現実VS虚構(イデオロギー)」みたいな戦いを続けてきたからこそ、次第に日本の民意は共産主義から離れていったとも。近年「民主党の大勝利」なんて番狂わせもありましたが、あれだって実は元自民党改革派が主導した流れだったりしますしね。
ちなみにアメリカが反共主義の牙城となったのは、日本よりひどい共産主義体験をした反動だったりします。
“Commonality between the United States’ two major... | Full Praxis Now
- 世界恐慌(1929年)後、米国のインテリはこぞって資本主義に見切りをつけ、アメリカ共産党(Communist Party of the United States of America)に入党した。
- ところが独ソ不可侵条約 (1939年)が締結されると「ナチス・ドイツと和合するのが科学的マルクス主義、ナチス・ドイツと敵対するのが修正主義」という展開に。馬鹿らしくなってアメリカ共産党を脱退した所謂「(ナチス・ドイツに反感を持つユダヤ系インテリを中心とする)ニューヨーク知識人」達は甘んじて「修正主義」のレッテルを受け入れる。この立場を代表する一人が「アメリカの反知性主義(Anti-intellectualism in American Life、1963年)」で2度目のピュリッツァー賞を受賞したリチャード・ホフスタッター(Richard Hofstadter、1916年〜1970年)」だったりする。
*そもそもナチス・ドイツはソ連が「社会的ファシズム」のレッテルを貼って弾劾した「史上最悪の修正主義者集団」ヴァイマル共和政(Weimarer Republik、1919年〜1933年)を打倒した共産主義的英雄だったから、この展開にはある種の必然すら存在したとも。
- この「ニューヨーク知識人」こそが(ナチス・ドイツの迫害を逃れて亡命してきた欧州ユダヤ系知識人の受け皿となる過程で)トロッキーの世界革命理論を継承し、イスラエルの建国と存続を後見した米国新保守主義(Neoconservatism、略称:ネオコン)の大源流。1970年代から独自の発展をして主に共和党政権時のタカ派外交政策姿勢に非常に大きな影響を与えてきた。民主党もその路線の継承を余儀なくされたが、その結果待っていたのが「2016年度米国大統領選挙におけるトランプ候補の大勝利」という大番狂わせだったとも。
*ここで暗躍したのがサンダース候補に見切りをつけてヒラリー候補落選運動を展開し、実際にトランプ候補が勝利するとトランプ大統領反対運動を繰り広げた米国左派。こうした第三者の目には支離滅裂なとしか映らない行動を通じて彼らはやっと「修正主義VS科学的マルクス主義」なる伝統的構造からの脱却に成功したが、その代償として中道派から「無政府主義者(Anarchism)」の烙印を押され、極右と一緒くたにされて「現状懐疑派」を形成する羽目に陥ったのだった。そもそもユダヤ系知識人が米国左派内における「(ロシア帝国のポグロムにまで起源が辿れる)反ユダヤ人感情の高まり」を察知してトランプ陣営支持を打ち出した時点で、これまで述べてきた展開にピリオドが打たれたとも。
そろそろ日本のリベラル層も「修正主義VS科学的マルクス主義」なる伝統的構造の呪縛から逃れる為に「共産主義は仕え甲斐のない主人」なる事実を認めざるを得ないのでは?
同時にアメリカでは(民主党代表をヒラリー候補に譲った)サンダース候補の「修正主義」に見切りをつけた極左勢力の掲げる「反資本主義」と、極右勢力の掲げる「反ユダヤ主義」が「究極的には同じもの」という認識から緩やかな融合を果たしつつあります。これまで「ホロコースト否定を許さない」ユダヤ系=イスラエル系人権団体を見習って日本の「守旧派」に「修正主義」のレッテルを貼って攻撃してきた日本のリベラル勢も、彼らを見習って「中産階級も究極的には1%の側だから不正義」という立場に立ってデモに便乗した商店街略奪に拍手喝采する様になるのでしょうか?
*「反資本主義」と「反ユダヤ主義」は究極的には同じもの…というか運動の強度を維持する為には白人男性至上主義者や「障害者や日本人やユダヤ人や黒人や東南アジア人や女性を同じ人間扱いする人間の方がレイシスト」と主張する差別主義者の受容が避けられない末期的状況に陥りつつあるという事。その一方では「白人や女性を同じ人間扱いする人間の方がレイシスト」と主張するNation of Islamの様な黒人男性優越主義者も黙認されていたりする。要するに問題の本質は「運動規模維持の為に自浄作用を放棄したせいで、同床異夢範囲の拡大に歯止めがかからなくなってしまった」ジレンマそのもの。中枢部はこういう展開を大して気にしていない。勝利の暁には「ノイズ」は全て粛清してしまう腹づもりだからである。実はこれこそが「ナチス・ドイツなるシステム」そのものなのは歴史的皮肉というべきか。
「すべての区画からシンデレラ城は見えるが隣同士の区画は完全視野外となるディズニーランド」と「企業家は企業家なりの不満を。中産階級は中産階級なりの不満を。労働者は労働者なりの不満を。国防軍は国防軍なりの不満を。義勇兵は義勇兵なりの不満を。どうぞ好きなだけ投影してください。その総体が我々です」と宣伝して圧倒的支持を勝ち取ったナチス(NSDAP)。両者の究極的な違いは、ディズニーなら特定ワールドの客から寄せられる「ここがこれだけ充実してるんだから、他のワールドなんてもういらないだろ?」なんて排他的意見に「一切」耳を傾けないという事だったりする。
伝統的には概ね以下の3種類が「出口」として認識されてきました。
- メンバー全員が「科学的マルクス主義者」や「漢族」として均質化されるのをハッピーエンドとする大同主義。途中過程では、この流れに反対する「修正主義者」や「夷狄」から人権の一切を剥奪するスパルタ的段階が不可欠で、それは大量虐殺の繰り返しなる形態をとる事もあるが、いずれにせよ遂行する側は「究極の意味では自分達だけが平和主義者なのであり、これに反抗する分離主義者はすべからく滅ぼすべき絶対悪」という立場をとる。
*こうしたシステム、「好き放題搾取して構わない外部」が存続する限り案外上手く回り続ける。中国人有識者も最近では「中華人民共和国は農工籍やチベット・ウィグル人に対する弾圧と反抗が続く限り存続する」なんてジレンマを意識する様になった。まぁ大衆の目の前で見せしめとして重機関銃や機関砲の斉射でミンチ状態に精肉してよい人々の供給が尽きない限り、こうした体制は案外と盤石だったりするのである。
- 「科学的マルクス主義者」や「漢族」などによる「究極の意味では自分達だけが平和主義者であり、これに反抗する分離主義者はすべからく滅ぼすべき絶対悪」といった理想主義が破れ、民族紛争が正当化されてしまった世界。むしろこっちの方が犠牲者が多く、しかも際限というものを知らなかったりする。
*このシステムもまた「好き放題憎んで殺して構わない敵対的差別主義者」が存続する限り案外上手く回り続ける。互いの殲滅に専念してる限り「資本主義的発展の矛盾」に直面する事もないからで、この状態を「人間に与えられた最大の人道的救済」と認識する向きもある。
- 形態は様々だが、とにかく上掲2種類のビジョンを、ある種の牛歩戦術で否定しようとする漸進主義。上掲2種類の立場からは「修正主義」のレッテルを貼られ徹底弾圧される。
私がこういう事を意識する様になったのは、皮肉にも栗本薫「魔界水滸伝(1981年〜1991年)」における「究極の意味での平等主義は無差別爆撃直後の焼け跡にしか顕現しない」といった内容の一節を目にして以来。まぁ「クトゥルフの魔物」の襲来はささやかな人間社会における経済的身分的秩序なんて一切気にしないし、こうした発想はおそらく永井豪「デビルマン(1972年〜1973年)」まで遡る訳ですが。これからはその状態を理想視出来るかどうかがリベラルかそうでないかの踏み絵となりそう?