多くの人間が現実世界とは他の場所に複素平面(球面)が広がっていると誤解しています。しかし実は現実は逆で、我々は原則としてこれを通じてしか現実世界の観測をし得ないとも考えられるのです。
①任意の観測原点「0」を設置する。この時点ではまだ何も起こってはいない。
②何かが観測されると、対象「1」を起点にとして距離1の線分にして、その旋回範囲に(これを半径とする)円や球面を形成する「オイラーの原始量(Euler's primitive sweep)」が現出する。
③そしてかかる観測原点より半径分「1」あるいは半周分「π」離れた先に極限値「−1」が想定される。
*ここで急浮上してくるのが「有意味なデータの抽出(Extract Significantly result of the data obsertion)」は「無視可能なデータの切り捨て(Reject Ignorableresult of the data obsertion)」と表裏一体の関係にあるという問題。ユークリッド幾何学的に「直線は2点間を結ぶただ一つの最短距離」という立場に立つなら「半周(π)分旋回した先の-1」なる定義は無意味。また逆にオイラーの公式の様に「e^θ=cosθ+isinθ」という立場に立つなら(直径は半径の倍なる概念を受容済みとはいえ)逆にそちらの定義が無意味となる。そもそもそれぞれの方法が導出する「−1」は本当に一致するのだろうか?
統計言語Rによる視覚化
#オイラーの原始量(Euler's primitive sweep)
theta <- seq(pi, -pi, length=360)
plot(cos(theta), sin(theta), type="l",col=rgb(0,1,0), main="Euler's primitive sweep", xlab="Real Expanse", ylab="Imaginary Expanse")
text(0, 0, "0",col=rgb(0,0,0))
text(1, 0, "1",col=rgb(0,0,1))
text(-1, 0, "-1",col=rgb(1,0,0))
text(0, 1, "π",col=rgb(0,1,0))
text(0, -1, "π",col=rgb(0,1,0))
segments(0,0,1,0,col=rgb(0,0,1))
segments(0,0,-1,0,col=rgb(1,0,0))
かかるオイラーの原始量(Euler's primitive sweep)すなわち「観測原点をすっぽり覆う全球」を認識手段として獲得した生物は、たちまちこれに全面依存する展開に。
- その大源流は恐らく多くの生物、特に鈍重な放射相称動物(ウニやクラゲやイソギンチャクの類)への対抗上、俊敏な左右相称動物(魚類やエビやカニの様な節足類の先祖筋)が「眼と視覚を処理する脊髄」を生存競争上の主要武器の一つとして採用したカンブリア爆発期(Cambrian Explosion、およそ5億4200万年前から5億3000万年前)まで遡る。
-
ある意味、代数学(Algebra)や幾何学(Geometry)の研究を通じて抽象思考能力を養った古代ギリシャ時代の哲学者や数学者が到達したイデア(Idea)論、イタリア・ルネサンス期以降、急速に広まった幾何学的透視図法、解析幾何学(Analytic Geometry)の祖と目されるデカルトの心身二元主義的機械論、そしてカントのアプリオリ論といった想像上の(Imaginal)テンプレートを優先する思考様式の背景でもある。
「仮想化(virtualization)」や「虚数解(Imaginary solution)」といった訳語に内包された「現実世界とかけ慣れた(従って概ね不要な)荒唐無稽な何か」なるニュアンスに振り回されている限り、こうした全体像の俯瞰には到底たどり着けそうにありません。
一方、FPS(First-Person Shooter)やTPS(Third-Person Shooter)の様なTVゲームの世界では「観測原点をすっぽり包む全球スクリーン」のイメージが自然に受容されています。
*FPS(First-Person Shooter)の視界は、ここでいう「0」の視界そのもの。
TPS(Third-Person Shooter)の視界は、ここでいう「−1」の視界そのもの。
その一方でオイラーの原始量(Euler's primitive sweep)なる概念、流石は五億年前まで遡れるだけあって数々の伝統的バグを含んでいます。
ある意味、こうした過去の負債をまとめて一掃しようと試みて大成功を収めたのが「オイラーの公式(Euler's formula)」だったのだとも。
#複素平面(球面)
Complex_plane<-function(x){
#theta <- seq(-pi, pi, length=360)
theta <- c(seq(0, pi, length=180),seq(-pi, 0, length=180))
dr<-seq(0,2*pi,length=360)theta00<- seq(1, -1, length=360)
theta01 <- c(theta[x:360],theta[1:x-1])
theta_cos<-cos(theta01)
theta_sin<-sin(theta01)
plot(cos(theta), sin(theta), xlim=c(-1,1), ylim=c(-1,1), type="l", main="Complex plane",xlab="Real Expanse", ylab="Imaginaly Expanse")
par(new=T)#上書き指定
plot(theta_cos,theta00,xlim=c(-1,1), ylim=c(-1,1), type="l",col=rgb(0,1,0),main="",xlab="", ylab="")
par(new=T)#上書き指定
plot(theta00,theta_sin,xlim=c(-1,1), ylim=c(-1,1), type="l",col=rgb(0,0,1),,main="",xlab="", ylab="")polygon(theta_cos, #x
theta00, #y
density=c(30), #塗りつぶす濃度
angle=c(45), #塗りつぶす斜線の角度
col=rgb(0,1,0)) #塗りつぶす色polygon(theta00, #x
theta_sin, #y
density=c(30), #塗りつぶす濃度
angle=c(45), #塗りつぶす斜線の角度
col=rgb(0,0,1)) #塗りつぶす色#segments(cos(dr[x]),-1,cos(dr[x]),1,col=rgb(0,1,0))
#segments(-1,sin(dr[x]),1,sin(dr[x]),col=rgb(0,0,1))
segments(cos(dr[x]),sin(dr[x]),0,0,col=rgb(1,0,0))
legend("bottomleft", legend=c("cos", "sin"), lty=c(1,1),col =c(rgb(0,1,0),rgb(0,0,1)))}
#アニメーションさせてみる。library("animation")
#Time_Code=c(1,90,180,270)
Time_Code=c(1,15,30,45,60,75,90,105,120,135,150,165,180,195,210,225,240,255,270,285,300,315,330,345)
saveGIF({
for (i in Time_Code){
Complex_plane(i)
}
}, interval = 0.1, movie.name = "TEST.gif")
①複素平面(球面)上の「0度/360度=0/2πラジアン」は複素数「1+0i(実数世界の「1」)」に該当し「x軸がCos(1)=1,y軸がSin(0)=0」の状態。
#Rでの計算例
Complex_plane(1)
#関連計算
cos(0)
[1] 1
sin(0)
[1] 0
②複素平面(球面)上の「90度=π/2ラジアンあるいは-270度=-3π/2ラジアン」は複素数「0+1i(実数世界の「0」)」に該当し「x軸がCos(π/2)=Cos(-3π/2)=0,y軸がSin(π/2)=Sin(-3π/2)=1」の状態。次に述べる複素数「0-1i(-90度=-π/2ラジアンあるいは270度=3π/2)」と共役関係にある。
#Rでの計算例
Complex_plane(90)
#関連計算cos(pi/2)
[1] 6.123234e-17
cos(-3*pi/2)
[1] -1.83697e-16
これは「ほとんどゼロ」を意味する。
round(sqrt(2),digits=7)
[1] 1.414214
round(cos(pi/2),digits=7)
[1] 0
round(cos(-3*pi/2),digits=7)
[1] 0sin(pi/2)
[1] 1
sin(-3*pi/2)
[1] 1
③複素平面(球面)上の「-90度(270度)=-π/2ラジアン(3π/2ラジアン)」は複素数「0-1i(実数世界の「0」)」に該当し「x軸がCos(-π/2)=0あるいは,y軸がSin(3π/2)=Sin(-π/2)=1」の状態と解かれる。先に述べた複素数「0+1i(90度=π/2ラジアン)」と共役関係にある。
#Rでの計算例
Complex_plane(270)
#関連計算
cos(-pi/2)
[1] 6.123234e-17
cos(3*pi/2)
[1] -1.83697e-16
これは「ほとんどゼロ」を意味する。
round(sqrt(2),digits=7)
[1] 1.414214
round(cos(-pi/2),digits=7)
[1] 0
round(cos(3*pi/2),digits=7)
[1] 0sin(-pi/2)
[1] -1
sin(3*pi/2)
[1] -1
④複素平面(球面)上の「180度=πラジアン(3π/2ラジアン)」は複素数「-1+0i(実数にはない数字)」に該当し「x軸がCos(π)=-1,y軸がSin(π)=0」の状態。
#Rでの計算例
Complex_plane(180)
#関連計算
cos(pi)
[1] -1
sin(pi)
[1] 1.224647e-16
これは「ほとんどゼロ」を意味する。
round(sqrt(2),digits=7)
[1] 1.414214
round(sin(pi/2),digits=7)
[1] 0
ちなみにオイラーの公式e^Θ=CosΘ+iSinΘにおいては「オイラーの等式(e^πi=-1)」およびそれから導出された「オイラーの原始量(Euler's primitive sweep、距離1の線分が描く円周や球表面)」において特別視される極限「−1」が、あっけなく円周上に存在する任意の座標の一つに組み込まれてしまっている。
#オイラーの方程式
complex(real=cos(0),imaginary=sin(0))#ラジアン表記で0度
[1] 1+0i
complex(real=cos(pi*0.5),imaginary=sin(pi*0.5)) #ラジアン表記で90度
[1] 0+1icomplex(real=cos(pi*0.5),imaginary=sin(pi*-0.5)) #ラジアン表記で-90度
[1] 0-1icomplex(real=cos(pi),imaginary=sin(pi)) #ラジアン表記で180度
[1] -1+0i#特殊解としての「オイラーの等式」
exp(pi*complex(real=0,imaginary=1))
[1] -1+0i
- 出発点はあくまで元来対数関数e^xのバリエーションに過ぎない「π^x(e^(log(π)*x))」の計算結果が「半径が1なら直径は2」なる数理的直感を裏切る問題なのである。
- オイラーの等式「e^πi=-1」の段階では、極限値の概念の導入により指数「−1(実際の区間距離は対数のルールに基づいて1/根(root)=1/π)」と距離「−1」が強引に同一視されただけだった。オイラーの方程式「e^Θ=CosΘ+iSinΘ」ではさらに踏み込み(指数関数e^xでは-2以下や2以上の展開にあまり意味がないのも踏まえて)-1から1の区間のみを無限に繰り返す区間周期関数(periodic function)への移行を達成。その瞬間に(対数関数や指数関数に本質的に織り込まれた)時間推移の概念もまた消失。
- この結果、オイラーの等式「e^πi=-1」から導出された「オイラーの原始量(Euler's primitive sweep、距離1の線分が描く円周や球表面)」における半径や円や真球の長さや面積や体積に対する原始的認識も微積分解析によって置き換えられていく。
「2」の概念の大源流もまた「眼と視覚情報を処理する脊髄」を獲得した左右相称生物(魚類やエビやカニの祖先)の進化速度が、あえてその道を選ばなかった鈍重な放射相称生物(クラゲやウニやイソギンチャクの類)を圧倒する様になったカンブリア爆発期(Cambrian Explosion、5億4200万年前〜5億3000万年前)にまで遡るのかもしれない。そう、両手が備わって左右の感覚が発生するからである。「直径は半径の2倍」なる先験的直感も、少なくともこの時代までは遡り得るという次第。しかし当時はむしろ「手足がそれぞれ1対しかない生物」が珍しかったとも…まさかこれこそがN次元概念の起源?
#半径rの円の面積(pi*r^2)をrで微分(Differential)すると円周の長さ(2*pi*r)となる。
D01<-expression(pi*r^2)
D(D01,"r")
pi * (2 * r)#半径rの球の体積(4/3*pi*r^3)をrで微分(Differential)すると球の表面積(4*pi*r^2)となる。
D02<-expression(4/3*pi*r^3)
D(D02,"r")
4/3 * pi * (3 * r^2)
かくして「(誰にも有意味な動きを見出し得ない)指数-2以下の風景」が完全視野外に追いやられる一方、「(片対数尺や透視図的デフォルメなどを用いて「オイラーの全球スクリーン」表面にそれらしく投影されてきた)指数+2以上の風景」は(片対数尺度と透視図法の巧みな使い分けによって)益々デカルトらが別途整備を進めてきた「直交座標系(rectangular coordinate system / orthogonal coordinate system)」への擬態能力を強め、その精緻な「仮想化(virtualization)」のメカニズムが改めて注目される様なったのは、何とコンピューター性能の爆発的向上が始まった20世紀後半に入ってからだったという次第。
かくして20世紀末から(よりリアルな表現を求めるFPSユーザややTPSユーザーの声に応える形で)3Dポリゴンゲームの大躍進が始まり(ポリゴン=ベクトル=テンソルの処理能力が鍵を握る)グラフィック・ボード開発競争が加熱した事が今日のディープ・ラーニング全盛期到来のインフラを整える展開に。もしかしたら、こうした風景もまたカンブリア爆発期から脈々と続けられてきた「視覚を処理する脊髄」進化史の一幕なのかもしれないのですね。