以下の投稿をしながら考えていたのが、数理(Mathematical Things)から出発してデカルト座標系(Cartesian Coordinate System)に到達するまでの道のりの途方もなさ。
進化史上は真逆にデカルト座標系(Cartesian Coordinate System)から出発して数理(Mathematical Things)に到達する訳ですが、こちらもこちらで全く別の形での途方のなさを備えています。人類がやっと本格的に線形代数(Linear Algebra)の概念を統合的に操り出すのがやっと19世紀に入ってから。そこに至るまでの紆余曲折の道のりを思えば気が遠くなるというもの…
それにつけても現代数学(Modern Mathematic)の歴史的短さは異常…
線型代数の歴史は線型方程式系を行列式を用いて解くという研究からはじまった。
- 歴史的には行列式は行列より以前に現れている。西洋の数学史において、行列式はライプニッツが1693年により用いられたのが最初であり、その後、ガブリエル・クラメルがいわゆる「クラメルの公式」で線型方程式系を解く方法を1750年に編み出した。更に後年になってガウスが測地学の研究から「ガウスの消去法」を用いて線型方程式系を解く方法を開発した。おそらく1860年代には行列式の公理的な定義がワイエルシュトラスとクロネッカーによって与えられていた。
- なお、日本の和算においてはライプニッツより10年早い時期に同様の研究が行われている(関孝和 1683)。
最初に行列代数(matrix algebra)の研究が現れたのは1800年代半ばのイングランドであるとされる。1844年、グラスマンは著書「Theory of Extension(拡大の理論)」を出版し、この本には今日の線型代数学の基本概念に相当する(当時としては)新しい内容が含まれていた。1848年シルベスターがラテン語で子宮を意味するwombからmatrix(行列)という用語を導入した。線型変換の構成に関する研究全体で、ケイリーは行列の積と逆行列の概念定義した。重要なのは、ケイリーが一つの文字で行列を表記する方法を使ったため、行列が文字を縦横に並べた集合体として扱われたことである。ケイリーはまた行列と行列式との関係を認識しており、「行列の理論はいろいろあるが、私に言わせれば、行列式の理論よりも重要である」と述べている。
- 1882年トルコのフセイン・テフフィグ・パシャは "Linear Algebra"(線型代数)と名付けられた本を出版した。公理的な(実数体上の)線型空間の定義や線型変換の定義はペアノによって1888年に与えられ、1900年までには有限次元ベクトル空間の理論が現れた。
線型代数が最初に現代化されるのは20世紀の初めの四半世紀であり、ここで多くのアイデアと前世紀に誕生した抽象代数学の概念が導入されていくこととなる。量子力学における行列の使用、特殊相対論、統計学における利用の広がりなど、純粋数学を超えて応用されていった。コンピュータの登場でガウスの消去法の効率的アルゴリズムの研究や、モデルの定式化やシミュレーションなどにも線型代数は必須の道具となっている。
遡れてもせいぜい近世までという。で、その基礎となるのが…
【例1】線形関数(Linear Function)y=±x
二次元(2D)…最もオーソドックスな平方対角線(Square Diagonal)めいた見え方。y=xは第1象限(1st Orthant,x=y=正数(Positive Number))と第3象限(3rd Orthant,x=y=負数(Negative Number))に、y=-x(-x=y)は第2象限(2nd Orthant,x=正数/y=負数)と第4象限(4th Orthant,x=負数/y=正数)に展開。
三次元(3D)…立方対角線(Cubic diagonal)が2本追加となって象限も8分割されます。
独立変数Xに対応して2次元だと{Y},{-Y}、3次元だと{Y,Z},{-Y,-Z},{-Y,Z},{Y,-Z}が対応するイメージ?
- X=Y=Z…既存のX=Y関数の自然な拡張。この関数だけは何次元に拡張しようとこんな感じ。おそらく幾何学的構造における対蹠概念に対応する。そして四元数(Quaternion)a+bi+cj+dkのa(システム全体に対してスカラー値として機能する何か)。
- X=-Y=-Z…既存のX=-Y関数の自然な拡張。XとZの傾きが連動。
- X=-Y=Z…新規追加分。XとZの傾きが連動。
- -X=-Y=Z(X=Y=-Z)…新規追加分。XとYの傾きが連動。
【例2】絶対値関数(Absolute Value Function)y=±abs(x)
2次元(2D)…y=abs(x),y=-abs(x)の集合(Set)。
3次元(3D)…y=abs(x),y=-abs(x)の集合(Set)と集合{z}{-z}の積(Product)。
【例3】絶対値関数(Absolute Value Function)x=±abs(y)
2次元(2D)…x=abs(y),x=-abs(y)の集合(Set)。
3次元(3D)…x=abs(y),x=-abs(y)の集合(Set)と集合{z}{-z}の積(Product)。
これらの関数集合は共役関係(Conjugated Relation)にあったりします。
y=x系…一次関数(Linear Function)x=y=z,x=-y=z,x=y=-z,x=-y=-zなどの集合(Set)
y=abs(x)系…絶対値関数(Absolute Value Function)abs(x)=y=z,abs(x)=-y=z,abs(x)=y=-z,abs(x)=-y=-zなどの集合(Set)
x=abs(y)系…絶対値関数(Absolute Value Function)x=abs(y)=z,-x=abs(y)=z,x=abs(y)=-z,-x=abs(y)=-zなどの集合(Set)
一方、所謂デカルト座標系(Cartesian Coordinate System)には確実に角錐型座標系(Pyramid Coordinate System)Pn(n=-Inf→0→Inf){-Inf^Inf=-Inf,…,-3^3=-9,-2^2=-4,-1^1=-1,0,1^1=1,2^2=4,3^3=9,…,Inf^Inf=Inf}3個の集合(Set)という側面も存在するので色々と矛盾が浮上してきてしまうのですね。
Z軸に沿ったX-Y面を巡る円錐座標系
X軸に沿ったY-Z面を巡る円錐座標系、あるいはY軸に沿ったX-Z面を巡る円錐座標系
【例4】指数・対数関数(Exponential / Logarithmic Function)y=exp(x),y=log(x)
Z軸はあくまで独立しているので、これを均等尺(Even Scale)から対数尺(Logarithmic Scale)に差し替えると指数関数(Natural Exponential Function)y=exp(x)と対数関数(Natural Logarithmic Function)y=exp(x)の共役関係が表示される事になります。
興味深い事に自然指数関数や自然指数関数、極座標系(Polar Coordinates System)そのものには居場所が見つからないんですね(それ以前に反比例関数X×Y=1に出番がない?)。それはある意味、斧の如きデカルト座標系(Cartesian Coordinate System)の脳天(3次元空間では6個で対となる対蹠集合=ジンバルロックポイント)への一閃が顕現させるミーティの断面図…
うろ覚えながらクライブ・バーカー 「血の本(Books of Blood)シリーズ(1984年〜1985年)」の冒頭言を思い出しますね。「人間なる存在はすべからず血の本である。その皮膚を断ち割られ、血を吹き出しながら内に秘めた筋肉や骨や臓物を人目に晒す時、初めて真の姿を顕現させるのである」。まさしくスプラッター映画全盛期が産んだ金言…そういえば当時のプロモデル業界はカットオフモデル全盛期…
そんな感じで以下続報…