諸概念の迷宮(Things got frantic)

歴史とは何か。それは「専有(occupation)=自由(liberty)」と「消費(demand)=生産(Supply)」と「実証主義(positivism)=権威主義(Authoritarianism)」「敵友主義=適応主義(Snobbism)」を巡る虚々実々の駆け引きの積み重ねではなかったか。その部分だけ抽出して並べると、一体どんな歴史観が浮かび上がってくるのか。はてさて全体像はどうなるやら。

イタリア史

「ビジネス慣習」が二分する世界?

司馬遼太郎「アメリカ素描(昭和60年,1985年)」で語られた歴史観。 アメリカ素描 (新潮文庫) posted with ヨメレバ 司馬 遼太郎 新潮社 1989-04-25 Amazon Kindle www.amazon.co.jp ビジネスとは素朴に言い直すと「家業」や「仕事」の事で、辞書を引くと商…

羊毛をめぐる冒険

さむらいウィリアム―三浦按針の生きた時代 posted with ヨメレバ ジャイルズ ミルトン 原書房 2005-10 Amazon Kindle 欧州史のある側面は確実に羊毛に覆い尽くされている。巡り巡ってその波は日本にまで到達したが、日本人の反応はあくまで冷淡。三浦按針が…

都市から国家に(欧州の経済的中心の歴史的推移)

大航海時代到来によって欧州経済の中心が地中海沿岸から大西洋沿岸に推移するまで、(ミラノを中心とする)イタリア北部や(フィレンツェを中心とする)イタリア中部とフランドル地方は並列的に発展してきた。 その歴史はどちらも都市の興亡によって彩られて…

北方ルネサンスとは何であったのか

ルネサンスとは何であったのか―塩野七生ルネサンス著作集1 ここに「北方ルネサンス(アルプス以北の北ヨーロッパの美術運動を意味すると同時に、イタリア以外での全ヨーロッパのルネサンス運動の意味もある)にも触れるべき」なんて指摘もあったけど、それは…

イスラム過激派の原風景

最近国際社会を脅かしてるイスラム過激派テロの背後には以下の歴史的悲劇が透けて見える。 イスラム発祥の地なのにペルシャ系諸族やテュルク系諸族に繁栄を乗っ取られたアラビア半島内陸部族の怨念…最近石油利権の一端にありついて復活を遂げたが、実はそれ…

「北伊、中伊とは何であったのか?」

www.amazon.co.jp 私の投稿、概ねイタリア史関連については塩野七生「ルネサンスとは何であったのか(2001年)」と論拠が重なるのだけれど、この本のAmazonコメント欄に酷評が多くて笑った。「オランダやヴェネツァの繁栄についても、もっとしっかり書くべき…

「蛮族が闊歩する欧州」と伝教師達による秩序回復の試み

古代ギリシャローマ文明と欧州文明は思うほど連続してなかったりします。 代わって調べれば調べるほど浮かび上がってくるのはこんな蛮族末裔が闊歩する風景。 ゴート戦争(伊: Guerra gotica、羅: Bellum Gothicum、535年~554年)によってイタリア半島にラ…

ロマネスク聖堂に描かれた怪物達に担わされた象徴的役割

「モンスター/monster(ラテン語単数monstrum、複数monstra)」.の語源は「monere(警告する)=予兆し、指示すもの」…神の啓示である以上、必ずしも否定的なものばかりでない。デモンストレーションの語源も「指し示す(demonstrare)」。かくして神の「創造…

ウンベルト・エーコの「テキストの迷宮」

241夜『薔薇の名前』ウンベルト・エーコ|松岡正剛の千夜千冊 コンピュータにはもともとハードウェアにもとづいたプログラムの回路というものがある。その上にソフトウェアが走るためのOSがある。そこでそのOSに『薔薇の名前』の内容(コンテンツ)をアル…

唯物史観とイタリア・ルネサンス

実は「人間集団の上部構造(法律、政治、社会)を規定する下部構造(生産、経済)は原始共産制、古代奴隷制、封建社会、資本主義社会、共産主義社会の五段階を経る」とする唯物史観は、18世紀に栄えたスコットランド啓蒙主義の丸パクリである。 マルクスがそ…

欧米的合理主義はイタリアから始まった?

現時点における私の立ち位置。思うよりウィリアム・H. マクニール「ヴェネツィア 東西ヨーロッパのかなめ 1081-1797(Venice: the Hinge of Europe, 1081-1797、1974年)」に負う部分が大きい。 レオナルド・ダ・ヴィンチが描いた大量の解剖図デッサン画 : …

十字軍運動とヴェネツィアの覇権

欧米の歴史観では割と普通に「カール大帝の征服事業(9世紀)」「ヴァイキング(9世紀~11世紀)」「ノルマン人の征服事業(11世紀~12世紀)」「十字軍運動(11世紀末~13世紀)」「イタリア戦争(15世紀末~16世紀前半)」が連続的に語られる。その一方…

実際の歴史上における本当の悲劇

そもそも「世界史とは海の国と陸の国の対決の歴史であったとする世界観」とか「帝国主義そのものを悪とみなし、非武装中立の即時実践を正義と掲げる世界観」みたいな粗雑な歴史観は死角が多い。 例えば以下の様な歴史的悲劇を見逃してしまう。 Relish in Rus…

ドラマ性に欠ける自由交易圏側の歴史

ハプスブルグ帝国に組み込まれる事を拒絶して独立したスイスの文化史学者ブルクハルト(Carl Jacob Christoph Burckhardt,1818年~1897年)は、シスマ(Schisma、教会分裂)期(1378年~1417年)に領主化した教皇とその背後でのボルジア家やメディチ家の暗躍…

イタリア・ルネサンスとフランス史

しかしもちろん、実際の歴史の歩みはそう単純ではない。カエサルは「人間ならば誰にでも、現実のすべてが見えるわけではない。多くの人は、見たいと欲する現実しか見ていない」と言ったという。フランス人もまた例外ではなかった。

イタリア・ルネサンスとフランス人

以下はあくまで小説だが着想自体が興味深い。 「ダ・ヴィンチ〜ミステリアスな生涯」は最高! - Apple/Macテクノロジー研究所 チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷 (塩野七生ルネサンス著作集) posted with ヨメレバ 塩野 七生 新潮社 2001-07 Amazon…

「陸の国」と「海の国」の境界線

「21世紀は陸と海のたたかい」~400年ぶりの歴史的大転換の始まり~(2010年02月16日) 陸と海と―世界史的一考察 posted with ヨメレバ カール・シュミット 慈学社出版 2006-11 Amazon Kindle こういう粗雑な歴史観が成立しにくいのは、そもそも「陸の…