諸概念の迷宮(Things got frantic)

歴史とは何か。それは「専有(occupation)=自由(liberty)」と「消費(demand)=生産(Supply)」と「実証主義(positivism)=権威主義(Authoritarianism)」「敵友主義=適応主義(Snobbism)」を巡る虚々実々の駆け引きの積み重ねではなかったか。その部分だけ抽出して並べると、一体どんな歴史観が浮かび上がってくるのか。はてさて全体像はどうなるやら。

2016-06-01から1ヶ月間の記事一覧

江戸時代を騒がせた「化け猫」の恐るべき正体

権威主義と反権威主義。それは元来、光と影の様に一対の存在。フランス革命勃発(1789年)から二月/三月革命(1848年〜1849年)にかけてあれほど欧州じゅうを騒がせた政治的浪漫主義者達だって、皮肉にも彼らが未来永劫の絶対抵抗を誓った教会と国王の権威に…

幕末まで生き延びた元キリシタン大名

遠藤周作「沈黙(1966年)」 「どこ」 もう一度、大声できくと、 「ヨコセのウラ」 一人が恥ずかしそうに小声で答える。ヨコセウラという地名はヴァリニャーノ師から幾度も聞かされていた。フロイス師やアルメイダ師たちがこの附近の領主から許しをもらって…

【雑想】ポンド硬貨がタイムトラベル?

早くも日本では旬が過ぎつつある感がありますが、英国のEU離脱問題、本国ではまだ始まったばかりという感じで全然予断を許しません。 www.tumblr.com Kindleで奇天烈なゲイポルノ小説(男と恐竜のロマンスとか)を出しているカルト作家が、英国のEU離脱をテ…

「天動説の時代」と「地動説の時代」の狭間

欧州の科学実証主義はイタリア・ルネサンス期にパドヴァ大学やボローニャ大学の解剖学部で流行した新アリストテレス主義、すなわち「実践知識の累積は必ずといって良いほど認識領域のパラダイムシフトを引き起こすので、短期的には伝統的認識に立脚する信仰…

水戸黄門と、遠山の金さんと、八百屋お七と、そして触手…

そもそも18世紀末から19世紀前半にフランスを席巻した政治的浪漫主義の原風景は「領主が領民と領土を全人格的に代表する農本主義的伝統」の側が何に既存の身分的秩序を脅かされたと感じたかなんですね。*もしかしたら英語の「Political(政治的)」という用…

ロマンチック(Romantic)な「夢のハワイ」の起源

どうして日本人はハワイが大好きなのでしょうか?ついついロマンを感じてしまうのでしょうか?海外反応! I LOVE JAPAN : なぜ日本人はハワイが好き? 海外の反応。 実は(高度成長期を背景とする)日本のレジャーブーム(1960年台~1970年台)とハワイが観…

【雑想】ディズニーランドとは何か、まだ理解してない中国人実業家?

現代中国人のスノビズムの集約点の一つ、それがディズニーランド…しかし果たして現代中国人は「ディズニーランドとは何か?」についてどれだけ理解してるんでしょうか?

日本人には視野外のアメリカ①カリフォルニアにおけるゴールドラッシュの勝者

「プロティスタンティズムの倫理」が生んだナンタケット島住人の悲劇… その末路、これを知ってると絶望感が増します。 「19世紀のカリフォルニアでのゴールドラッシュでは誰が儲かったか」には諸説あって、ジーンズを売ったリーバイスとする説と、つるはしを…

プロテスタンティズムの倫理と鯨捕りの精神

マックスウェーバーが「資本主義の創始者」と信じたかったタイプのプロテスタンティズム。実際には近代化に失敗してただ消滅していっただけだったケースも存在しました。実例として代表的なのは、例えば17世紀から19世紀初頭にかけて栄えた「ナンタケット島…

【雑想】英国、EU離脱するってよ。

この時、「これ絶対、イギリス人に向かって刺した釘」と思ってた訳ですが… ヨーロッパ各国は、戦場を交易と民主主義の結びつきを深める場に置き換える連合を構築しました。 The nations of Europe built a union that replaced battlefields with bonds of c…

「外骨格生物とその中身」の変遷史?

マックス・ウェーバーの「鋼鉄の檻(Gehäuse)理論」も、ヘルムート・プレスナーの「世俗信仰(Die Weltfrömmigkeit)論」も社会と人間の関係を「外骨格生物とその中身」に例えます。前者は「中身の成長に脱皮が間に合わねば全体として死ぬ」と考え、後者は…

【雑想】時代と人間

For someone who loves me because I am me… フランス書院文庫編集部さんのツイート: “【ヘソピアスの意味】1950年代、アメリカで女性のヘソ出しシーンは上映禁止。スネークダンスを踊るシーンでA・エグバークがヘソに「宝石」を埋め込んでいるのは検閲をク…

恋愛と自殺と「政治的」浪漫主義

一般に「恋愛とロマンス(俗語で執筆される読物)を最初に結びつけたのはルソー」とされる事が多いです。「世界初のラブロマンス」として名高い「ジュリまたは新エロイーズ( Julie ou la Nouvelle Héloïse、1761年)」を発表したせいですね。*ただしその内…

「ロココ・リバイバル」としてのディズニー

ヨーロッパ絶対王制の遺産たる「ゴシック=ロココ様式」がリバイバルを果たした第二帝政期(1852年〜1870年)をリアルタイム生きたフランスの詩人シャルル・ボードレール。彼はそれを成立させる必須要素として「(視野外に追い出された)高貴なるメランコリ…

「赤いチョッキ伝説」と日本の学生運動の盛衰

政治的浪漫主義運動の象徴は「赤いチョッキ」とされています。 第180回 フランスロマン派文学 - 山下敏明さんのあんな本、こんな本 ユゴーはね、文学的には『ロマン主義文学』と言われる文学運動の一派の。まあ、親玉みたいな人だった。そのユーゴーが自分達…

今日なお続く「薔薇戦争」?

英国産業革命を牽引したマンチェスター。そもそも英国毛織物産業の発祥地でもありました。しかし過去にさかのぼるほど「ランカシャー地方のオランダ移民の多かった地域」程度の存在感しかなくなってしまいます。 その代り「ビートルズを生んだランカシャーの…

選ぶべきは「安定性」それとも「跳躍の可能性」?

フランスの大貴族連合が国王の中央集権強化に反対した公益同盟戦争(1465年〜1477年)。しかし何故かブルボン家だけは改易や取り潰しを免れます。盟主格だったにも関わらず。そこから「当時のブルボン家は、ヴァロア家にとっての御三家的立場ではなかったか…

「フランスの御三家」オルレアン家の陰謀と三銃士の世界

今回の舞台はパレ・ロワイヤル(Palais-Royal)… 今日では、フランスにおいてすら革命期間中「平等公(Égalité)」を名乗ったオルレアン公(Duc d'Orléans)をフランス革命を始めた男と見る向きが少なくないといいます。 革命前夜から反体制派論客を大量に私…

「無慈悲なスペイン貴族」が登場

どうして欧州貴族ってすぐ武器密輸とか非合法ビジネスに手を出しちゃうの? 無慈悲な独身貴族 (ハーレクインコミックス) dailynk.jp 北朝鮮の事実上の対外広報担当を務め、「北朝鮮初の外国人公務員」などと呼ばれたスペイン人男性が、武器の違法取引に関わ…

啓蒙思想とロマン主義の狭間とその先

日本語環境でロマン主義について検索すると、すぐ「18世紀啓蒙主義を支えた合理主義に反発。不条理や神秘に没入して勝利を収め、その熱狂は世紀末まで続いた」といった定義に突き当たります。 しかし、本当でしょうか? 啓蒙思想によるキリスト教教理の変質 …

全然ロマンティックじゃないロマン主義文学の系譜

ロマンス (romance) という言葉は元来「(ラテン語で執筆される)正式な古典文化」を意味するラテン(Latin)に対して「(俗語で執筆される)民衆向け文学」というニュアンスでした。そして騎士道物語(フランス語:Roman courtois or Roman de chevalerie, …

【雑想】「銃による抑止力」とは何か熟知してるはずの日本人

And yet that is not enough. For we see around the world today how even the crudest rifles and barrel bombs can serve up violence on a terrible scale. We must change our mind-set about war itself. それだけでは十分ではありません。この世界で…

世界が変わるのに必要とされる事?

興味深い投稿を見掛けました。 産業革命以降、科学技術が飛躍的に発展するのは、それが儲かるようになったからだ。有閑階級の趣味にすぎなかった科学は、産業革命によって一夜にして「金のなる木」になった。国家や企業が多額の投資をするようになったからこ…

一時期どこにでも居た「ドイツ人」

ここで紹介した「レ・ミゼラブル」の「民衆の歌(Do You Hear The People Sing)」のエピソードで思い出したのですが… ディエンビエンフー陥落(Bataille de Điện Biên Phủ、1954年)に際してフランス軍の塹壕では、戦意高揚の為あちこちで「ナチス党歌(Hor…

「尊敬されたい」マッドチェスターの雨

年表なんてスラスラ書けてるうちはちっとも面白くありません。それこそ暗記中心の受験勉強みたい。書いているというより、嬶されてるという感じ。しかも多少視点を変えたくらいでは、やっぱりスラスラ書けてしまうのです。あたかも「それくらい織り込み済み…

産業革命と参勤交代

世界史の窓:産業革命 イギリス産業革命の資金源 イギリス産業革命は黒人奴隷貿易と密接に関係するが、奴隷貿易で蓄積された資本が産業革命の資金になったとはいえない。奴隷貿易業者が綿織物製造業に転身したり、資金を提唱したという実例はない。また従来…

「小京都主義」VS「小京都」

フランス革命期(1789年〜1799期)、ジャコバン派独裁政権は現地実力者の粛清によって「フランス交易の中心地」ボルドーを無力化し「フランス工業の中心地」リヨンをホロコーストによって灰燼へと帰しめました。 ルネ・セディヨ 『フランス革命の代償』 どち…

「食材としての人体」

恒例の国際SNS上の回覧ネタ。 For someone who loves me because I am me…

騎士修道会と「武人の覚悟」の奇妙な変遷

「スター・ウォーズ/フォースの覚醒(STAR WARS: THE FORCE AWAKENS、2015年)」を鑑賞して「帝国(英国人が拗ねる)やナチス(ドイツ人がむくれる)の悪役抜擢はもう古い。これからの悪のイメージの中核は十字軍、それも騎士道修道会」という戦略を感じまし…

「ベルサイユのばら」と産業革命

英国史というのは17世紀まで遡っても現代政治に続く何かが見てとれます。 というよりテューダー朝(Tudor dynasty、1541年〜1603年)の断絶、清教徒革命(Puritan Revolution または Wars of the Three Kingdoms、1638年〜1660年)と王政復古、そしては名誉…